2015
08.25
Vol.50 前篇 とびきりのビーチリゾートとパワフルな魚

 

今回の特集で訪れたオーストラリア東岸のウィットサンディー諸島は、グレートバリアリーフの至宝とも言うべき、とびきりの美しい海がある。その美しい海を求め、世界中から観光客が訪れ、束の間のバカンスを楽しんでいる。

とびきりのビーチリゾートとパワフルな魚

高級リゾートホテルから家族で滞在しやすいコンドミディアム、そしてモーターホームやキャンプサイト、バンガローなどアウトドア・リゾートともいうべき、バックパッカー用の施設など、訪れる人の嗜好や予算、人数によって宿泊場所の選択肢が多いのもうれしい。また、ファッションやお土産物などが並ぶ、ショッピングストリートや大型のフードコートもあり長期の滞在にも不自由はない、どころかしばらく滞在を楽しめ、帰りたくなくなるような印象だ。そして釣りのファンなら見過ごすことができない、アンティークの釣り具ショップもある。 釣りを終え、そんなビーチサイドのリゾートタウンを散歩していると、行き交う人々の表情は、嬉々として弾んでいるようにも見える。

とびきりのビーチリゾートとパワフルな魚

しかも、目の前に広がる海では、沿岸近くに鳥山ができ、その鳥山を追い散らすようにキハダマグロが跳ね、河川が流れ込むマングローブの河口にはターポンまでいるのだ。こういった場所なら、釣りをするしないにかかわらず、誰もが余暇を堪能できるだろう。 しかも、ここには多くの魚に交じってジャイアント・トレバリー(GT-=ロウニンアジ)が数多く棲息する。港に戻ってくる小型のフィッシングボートから降りてくる釣り客に釣果を尋ねると、開口一番にこう語った。 「最初は、大きなポッパーに果敢にアタックしてくるGTの迫力が面白くて、ついついキャスティングをくりかえしていました。そして10キロ程度なら引き味を楽しみながら取り込むことができたんですが、30キロ、40キロになるとそのパワーに圧倒されて、楽しむ余裕もないほどでした。自分で額から流れ出る汗をぬぐうこともできず、腰にためたロッドはそのパワーを抑えるために背中から突き抜けるようでした。やっとランディングネットに収めた瞬間は、筋肉が弛緩してへたり込んでしまいました」と。 実際、今回の取材でもそんな場面が度々あった。GTを釣り慣れている身長190センチを超えるガイドのティムでさえ、フウフウ言いながらGTと格闘していた。それほどまでにGTは強く、まさに海の王者なのだ。

とびきりのビーチリゾートとパワフルな魚

「人生を賭けて対峙するにふさわしい魚」とGT釣りの名手、福井健三郎さんが語る言葉に偽りはない。そしてウィットサンディー諸島のGTフィッシングを言葉に例えるのなら「美女の中に潜む野獣」となる。この言葉にも偽りはないだろう。

その他の取材こぼれ話