2018
09.21
The natural world photographer
渓流の特殊撮影技術の先にある命の鼓動

本誌『Fishing Café』で、数多くの素晴らしい撮影を行う知来要さんは、長年、日本のプロ野球やさまざまなスポーツシーン、大リーグやモータースポーツの最高峰F1など、スポーツ報道写真の第一線で活躍したカメラマンです。
知来さんは、釣り好きが興じ、あるとき渓流の水面下を覗いてしまったことから、その美しさに魅せられてしまった、と言います。
渓流魚が水生昆虫を捕食する躍動感、獰猛な目つきなど、スポーツ写真で鍛えられた写真技術は、その一瞬を逃しません。
ドライスーツに身を包み、水中から見上げる水面越しの森や空、屈折した太陽の光の中に、神秘的な世界が繰り広げられています。
水中で命を育む魚たちの目線を意識した画角、ライズの瞬間をシャッターに収めるさまざまな特殊撮影技術などの創意工夫は、釣り写真の世界に新たな息吹をもたらしました。
見えない世界を可視化する、知来さんに話をお聞きしました。

知来 要(ちらい よう)

1956年埼玉県生まれ。『デイリースポーツ』、サンケイスポーツ新聞社、ベースボールマガジン社で長年にわり、日本のプロ野球や米国大リーグ、F1の撮影を行ってきた。一方、28歳に出会った渓流釣りをきっかけに、渓流の水中撮影を専門に行っている。著書・作品集に『水辺と水中の“感動”を撮る』『森のフィッシュ・ウオッチング』(つり人社)『顔がわかる魚図鑑』(宝島社)などがある。

作品写真◎知来 要 Photographs by Yoh Chirai
映像制作◎田畑貴章 Movie by Takaaki Tabata

連載企画