魚や海洋生物などをモチーフに銅板を彫る銅版画家・今井庸介氏。
海流の勢いに負けないアジの群れや海底に漂う根魚たちの表情など、本誌『Fishing Café』のアーサー・ビナード氏のコラムに毎号、活力を与える精力的な作品を寄稿していただいています。
海と山に囲まれた愛媛県伊予郡で生まれた今井氏は、「釣りは父の手ほどきで覚えた」そうです。
そして、宇宙船やロケットばかり描いていた絵画の好きな少年は、美大で学ぶなかで、森羅万象に潜む心象風景を銅板に刻む道を選びます。
ご自身の釣りの原体験と銅版画の面白さについて、今井氏に話をお聞きしました。
今井 庸介(いまい ようすけ)
1965年愛媛県生まれ。武蔵野美術大学卒業。第12回日本具象版画展十美賞受賞、第5回中華民国国際版画ビエンナーレ展(台湾)行政院文化建設委員会主任委員賞受賞、第52回CWAJ版画展版画展(アメリカ)委員会賞受賞をはじめ、パブリックコレクションとして愛媛県美術館、クラクフ国立美術館(ポーランド)、イビザ現代美術館(スペイン)、アルバータ大学(カナダ)、ティコティン日本美術館(イスラエル)、クリーブランド美術館・米国議会図書館(アメリカ)などに作品が所蔵されている。現在、武蔵野美術大学造形学部非常勤講師を務める傍ら、国内外で精力的に個展活動を行っている。