「毛鉤釣りは、魚とのドラマチックな出会いがあります」
語り手・村田 久(作家・エッセイスト)
「釣れる、と思って釣るから釣りは楽しいんです」
聞き手・夢枕 獏(小説家)
越冬後の活性の低いヤマメたちに比べ、岩手県地方で“ヒカリ”と呼ばれる銀毛化が進むヤマメたちは、低い水温の中でも活発に餌を捕食し、降海に備えます。
「ヒカリは、冬の終わりから早春の頃になると群れを作りながら、徐々に川を降りていくのですが、底石の陰に隠れているヤマメたちとは対照的に表層を泳いでいる。それが大きな特徴です」と、岩手県を拠点に執筆活動を行う村田久さんは説明します。
村田さんと獏さんは、釣り仲間として、これまでに多くの川をともにしてきました。
川があり、そこに魚がいるだけで、二人の関係は常に良好なのだと言います。
そこで、村田さんのホームグラウンドである岩手県の北上高地を流れる釣行の模様とお二人の釣り談義を、スライドショーと音声でお伝えします。
村田 久(むらたひさし)
作家・エッセイスト
1942年北海道生まれ。
釣りと旅を愛し自然全般に造詣が深く、アウトドアインストラクターとして、自然関係の講演 シンポジウムでも活躍中。著書に『底なし淵』(朔風社)、『定年釣り師』、『岩手は今日も釣り日和』(小学館)など多数。『家を抜け出し、川に佇つ』(小学館)が2010年岩手県芸術選奨を受賞。
夢枕 獏(ゆめまくらばく)
小説家
1951年神奈川県生まれ。
1977年に作家デビューし、以後ベストセラー作家として活躍。『陰陽師』、『神々の山嶺』など映画化された作品も多数。また、数々の文学賞を受賞。
撮影◎狩野イサム