深山幽谷に住み、源流を知り尽くすことができたなら。あるいは海辺に暮らし、毎日のように釣りができたなら……。
釣りが好きになればなるほど、釣り人の多くは、そんな生活に憧れを抱きます。そして、それを憧れで終わらせず、実行に移した人々がいます。
何が彼らをその地へと突き動かし、どんな困難や喜びがあり、何を得ることができたのか?彼らの人生は日々釣りと共にあり、その暮らしを謳歌しています。
釣り人にとって憧れのライフスタイルを紹介しているVol.66特集より、十勝平野の空と魚に魅せられた熱気球パイロットの小田切光さん、羊蹄山(ようていざん)の麓でB&B営む北村浩一さんにご登場いただき、日々是釣り日和を満喫する、ライフスタイルについて話をお聞きしました。
「すべての感覚を総動員し、目に見えない風という生き物を捉え、目的地にたどり着くのが熱気球です。
そして、水中の魚たちの営みを予測し、針に掛けるのが釣りです。両者とも可視化できない世界を楽しむ点では共通しています」と、北海道河東郡鹿追町(かとうぐんしかおいちょう)に移住した小田切光さんは言います。
ロケットレインボーと呼ばれる十勝川のニジマス、根魚にあふれ青魚が回遊する太平洋が身近なこの地は、小田切さんにとってパラダイスです。
現在、熱気球の観光フライトサービスを主宰し、マイボートを駆使して空と海、川と湖を相手に充実した日々を過ごす小田切さんに、十勝での暮らしについてお話をうかがいました。
小田切 光(おたぎり ひかる)
1967年茨城県生まれ。和光大学経済学部卒業。日立の海で釣り竿を遊び道具に育ち、大学時代に熱気球の面白さを知り、それをきっかけに好きな釣りも存分に楽しめる北海道河東郡鹿追町に移住。アウトドアガイドや熱気球パイロットとして観光ツアーを主宰。フライ、ルアー、マイボートでの沖釣りまでこなし、日々、空か海で過ごしている。
https://www.hotair-h.com/
映像制作◎田畑貴章
写真◎足立 聡