2016
05.20
『Fishing Café Vol.53』特集
日本を代表する渓流魚「イワナ」を巡る旅

冷水環境を好む魚のサケ目サケ科イワナ属。
学名は Salvelinus leucomaenis。そのイワナ属の中で、日本産のイワナは世界で最も緯度の低い温暖な地方に生息する南限の種です。
そのため冷水の流れる河川の源流付近に一生とどまる河川残留型(陸封型)の生活史をもつ場合が多く、山塊の人々の暮らしや生活文化と密接な関係を築いてきました。しかも、河川ごとの個体差があり、変異性が強いという特徴があります。
一方で日本海側、北陸地方以北で見られる降海型のイワナ属は、生物の多様性を育むうえで、大きな役割があると言われています。
『Fishing Café Vol.53』の特集では「岩魚変幻」と題して、この多彩にして奥深いイワナをテーマに新たな見識の扉を開いています。
そこで、この特集から本州の山間部に潜むイワナの祖先とも言われる北海道道南地方沿岸部の「アメマス釣行」をハイライトムービーとして紹介します。

splash&run,AMEMASU in the sea
野生の白色閃光、北海道南部沿岸 “アメマス釣考”

大きなもので体長1メートルを超え、その旺盛な繁殖力は、北海道全土から日本海側の富山県まで広がります。
しかも、環境条件が揃えば、深山の奥まで遡上するほどのパーワ-秘めています。
その海と川を行き来する巨大なイワナは、アイヌ民族の伝承逸話などにも登場しますが、漁業資源としての価値の低さから、これまでに専門的な研究は行われずきたという経緯かあります。
そこで北海道区水産研究所の森田氏など専門家や地元のフィッシングガイドのお話をお聞きし、また、北海道南部島牧村での実釣を試みるなかで、多くの釣り人を魅了する“アメマス”に迫ってみました。

写真◎足立 聡 Photographs by Satoshi Adachi
映像制作◎住 正徳 Movie by Masanori Sumi