2018
04.13
『Fishing Café Vol.59』特集
「湿原のカムイたち」より(前編)

北海道根釧原野に位置する釧路湿原は、水源湖とされる屈斜路湖から流れ出す釧路川が平野部で蛇行してできた、日本最大の湿原です。

世界的に貴重な自然資源であり生物多様性の宝庫として、1980年に日本で初めて、ラムサール条約湿地に登録されました。

釧路湿原に棲む淡水魚は、下流域や河口域を含め30種以上にものぼり、しかも、釧路川源流から河口までの広大なエリアには、国内最大の淡水魚、イトウをはじめアメマス、ヤマメなど釣り人を魅了する魚たちが潜んでいます。

そこでVOL.59・特集より、屈斜路湖から釧路川本流を中心にカヌーを使い、フィッシングガイドを営む釧路在住の高橋秀幸さんに登場いただき、湿原をとりまく釣りの魅力をハイライトムービーでご紹介します。

Fishing expedition in Kushiro-Shitsugen
若きカヌーガイドが導く、湿原エクスペディション

静寂の醍醐味を満喫する、鏡面化した屈斜路湖での釣り。
いくつもの湧き水が川に活力をもたらす、釧路川源流域の原始河川の釣り。
そして、蛇行を取り戻し生き還った、釧路川中流域と釧路湿原の釣り。
そこには、イトウを頂点に脂ビレを持つマスたちを中心とする、さまざまな魚類や甲殻類がひしめき、繊細で壮大な生物の宝庫が広がっています。
「イトウを何度も釣ったことはあるが、釧路川のイトウはとにかく難しい」と語る、若きカヌーフィッシングガイドの高橋秀幸さんに、水源の屈斜路湖から釧路川源流、そして釧路湿原の魅力、釣りの醍醐味について語っていただきました。

高橋秀幸(たかはし ひでゆき)

釧路市在住、カヌー・フィッシングガイド
1982年釧路市生まれ。北海道知事認定のカヌーガイド、自然ガイド。父親とその仲間(イトウ釣り師、野鳥愛好家、登山家、ハンター)たちの背中を見て育つ。高校卒業後、陸上自衛隊に入隊。その後、釧路湿原の静けさや美しさを忘れられず帰郷し、カヌーガイドに転身。ルアー・フライフィッシング、山菜採り、料理、自然観察、ヒグマの生態などに詳しい。上級救命、ゲストを移動するための大型2種免許、狩猟ライセンスも取得している。
『グレイスフィールド』www.gracefield946.com/

映像制作◎田畑貴章
写真◎足立 聡