2017
09.08
『Fishing Café Vol.57』特集
“技の奥儀、テンカラの秘密”より −後篇−

日本の伝承毛鉤釣りであるテンカラを嗜む釣り人は、年々、世界的にも増加傾向にあり、日本でも密かなブームとして注目され続けています。
シンプルな仕掛けに対して、技に奥行きと深さがあり、初めて竿を手にした人が、その日のうちに魚を釣り上げることもできる手軽さは、他の疑似餌釣りにはない親しみやすさもあります。
そこで『Fishing Café』57号では、伝説となった名人たちや全国各地の伝承毛鉤文化を探り「テンカラの奥儀」「テンカラの秘密」に迫っています。

そのなかから“技の奥儀、テンカラの秘密” 後篇として、乗鞍高原最後の職漁師と言われる、福島立實(ふくしまたつみ)氏のお話をハイライトムービーでご紹介します。

TENKARA Fishing in the Japan Alps
「テンカラ職漁師の法則」乗鞍高原最後の職漁師、福島立實

かつて長野県大町を拠点とする黒部峡谷の職漁師とは別に、乗鞍高原の安曇村(現・松本市安曇)を拠点とする職漁師の一派がいました。
その乗鞍高原でイワナ職漁師の13人兄弟の末っ子として生まれ、20歳からその技を引き継いだのが、テンカラ名人である福島立實氏です。
1日に数十匹もの型の揃ったイワナを釣るために、執拗なまでに研ぎ澄まされてきた技や装備は、日本の伝承テンカラのひとつのルーツでもあります。
乗鞍高原最後の職漁師でもある福島氏に、安曇村テンカラの世界についてお話をうかがいました。

福島立實(ふくしま たつみ)

1948年長野県松本市生まれ。NPO法人「北アルプスネイチャートラスト」代表。北アルプス山麓、安曇野の職漁師である父親の後を継ぎ、登山、狩猟、山菜、きのこ狩り、スキーなど、山のスペシャリストであり、テンカラの名人。著書に『「岳」はおれの学び舎』(河出書房新社)など。ロッジ『風のチムニー』代表。
http://www.windchimney.com/

写真◎狩野イサム Photographs by Isamu Kano
映像制作◎田畑貴章 Movie by Takaaki Tabata