玄界灘、周防灘、五島灘、響灘など、九州北部を取り囲むように点在する “灘”。
潮流が速く、しかも複雑なこの海域は、古くから好漁場として、沿岸漁民の生活を支え、九州各地の釣り文化を育んできました。
『Fishing Café Vol.51』の特集ではこの “灘” をテーマとしています。
そこで、この特集から玄海灘と響灘をハイライトコンテンツとして、ムービーと音声、テキストで紹介します
九州の漁場として、玄界灘の位置づけは計り知れないものがある。さまざまな根魚からヒラマサやカンパチ、そしてクロマグロを代表とする大型青物の魚影の濃さは抜群です。その好魚場を背景に、ここでは櫓漕ぎの船の時代から続く伝統釣法、ルアージギングやキャスティングで青物を狙うなど、革新的なルアー船の数も多く、新世代の釣りの実験場としても注目されています。そこで、玄界灘の大型青物のルアーゲームのパイオニアでもある八田雅司氏から、玄界灘の釣り、そして海への想いを語ってもらいました。
八田雅司(はったまさし)
1965 年生まれ。ロサンゼルスオリンピック代表となった元マラソンランナーで、現スポーツ評論家の増田明美さんのマネージメント会社の代表として活躍。その後、唐津を拠点に玄界灘に新風を吹き込む、遊漁船『八丸』を主宰。
http://www.8maru.com/
語り◎八田雅司 Talk by Masashi Hatsuta 映像◎住 正徳 Movie by Masanori Sumi
福岡市沖から下関市沖に広がる “響灘”。大陸棚の起伏に富んだ地形は魚種の宝庫として、四季を通して様々な釣りが期待できる海です。なかでも、活きエビによる大鯛狙いのテンヤ釣り、いわゆる手釣りのビシマテンヤの歴史は古く、江戸時代より麻をよった道糸にいくつものオモリをかませ、朝鮮半島より入手したテグスにテンヤを結んでいたといわれています。現在でも、この釣りは一部の限られた漁師や釣り人だけが楽しむ釣りとして残っていますが、竿釣りによる “鯛ラバ” の台頭により、響灘の釣りは「誰でも気軽に大鯛やさまざまな大物が狙える釣り」に変わってきているといいます。そこで、響灘の伝統釣法に造詣の深い白石善樹さんから響灘の釣りを語ってもらいました。
白石善樹(しらいしよしき)
1945 年福岡県生まれ。企業人として勤める傍ら多くの船釣り経験をし、自ら船長として独立。地元の漁師からさまざまな伝統的な釣りを学び、自ら実践することで後世に残る釣技を広めている。現在、北九州市門司港を拠点に響灘で活動する遊漁船『白洋丸』を主宰。
語り◎白石善樹 Talk by Yoshiki Shiraisi 映像◎住 正徳 Movie by Masanori Sumi