日本の伝承毛鉤釣りであるテンカラを嗜む釣り人は、年々、世界的にも増加傾向にあり、日本でも密かなブームとして注目され続けています。
シンプルな仕掛けに対して、技に奥行きと深さがあり、初めて竿を手にした人が、その日のうちに魚を釣り上げることもできる手軽さは、他の疑似餌釣りにはない親しみやすさもあります。
そこで『Fishing Café』57号では、伝説となった名人たちや全国各地の伝承毛鉤文化を探り「テンカラの奥儀」「テンカラの秘密」に迫っています。
その特集から、テンカラ文化の継承と自然魚の保護増殖を目指す『北の安曇野渓流会』事務局長の水谷博(みずたにひろし)氏のお話をハイライトムービーでご紹介します。
「安曇野の渓流と渓流魚をあるべき姿のままに」を目標に発足したのが、『北の安曇野渓流会』です。
黒部峡谷の職漁師文化の継承と発展、そして自然魚の保護増殖を主な目的とし、最終的には、北安(ほくあん)中部漁協管内にゾーニング管理の導入と、それに基づく葛温泉のキャッチ&リリース(C&R)区間化を目指しています。
発眼卵放流や稚魚放流、各種テンカラのイベントなど、これらの活動を通じて安曇野の自然、渓流と渓流魚、釣り人とのつながりを見つめる、『北の安曇野渓流会』事務局長の水谷博氏にお話をうかがいました。
水谷博(みずたに ひろし)
1950年名古屋市生まれ。『北の安曇野渓流会』事務局長。2013年に至学館大学での教職を早期退職し、長野県大町市で貸別荘を経営しながら大学ソフトボール競技の振興にも努める。テンカラ歴は25年。自然を楽しみ親しむなかで、大町市の渓と文化歴史に魅せられ、2009年『北の安曇野渓流会』を発足した。
http://agoramiasa.wixsite.com/hokuankeiryukai
写真◎望月 仁 Photographs by Hitoshi Mochizuki
映像制作◎田畑貴章 Movie by Takaaki Tabata
取材協力◎大町山岳博物館