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釣り名人を魅了する海産天然“四万十アユ” (本誌P.33〜34) 文◎フィッシングカフェ
編集部


精悍な魚体、鋭敏な顔つき。1日に15匹も釣り上げれば、身体がバラバラになるほどの 強烈な釣り味を約束する、四万十川の天然海産“アユ”。源流、上流、中流、下流、その支流と変化に富んだ豊富なアユ釣り場は、全国の鮎釣りファンにとって人気の河川のひとつだ。幼少からアユの友釣りと親しみ、四万十川中流域に位置する、「四万十町・十川のアユ釣り名人」といわれる岡田初穂さんに、日本一長い180kmを超える遡上を行う、強靭な四万十川の天然アユについてお話をお聞きした。

「遡上するものになると河口から180キロくらい奥までくる。背中の盛り上がりが少なく体型がスマート、顔も精悍です。釣り味は、目印がドンドン引っ張られるような迫力はない。四万十の海産天然アユが比較的おっとりしているのは、川幅の広さと珪藻の豊かさが理由でしょう。狭い川や、藻が少ない川だと、どうしても攻撃的になりますからね」と、岡田さんは言う。

ポイントとして面白いのは、やはり荒瀬。それと深瀞。水深4〜5メートルの岩盤狙いは他の川では経験できない、四万十川独特の釣り場だという。そういう場所に尺アユがいる。しかし、流れは緩やかだけど、川幅があるので流れが重く、川底がゴロゴロして足元がおぼつかない。そんな場所で型のいいのを15匹も釣れば、その夜はクタクタだという。

四万十川は太古からの流れをとどめているが、この川を遡上する海産・天然アユも氷河時代から生き延びた、野生が強い種だ。四万十川はそういう意味で、アユを通して野生を釣る醍醐味があるという。