Fishing Cafe

Fishing Cafe ProjectWorld Fishing ReportFishing SalonMagazineBSTVMaking of Fishing Cafe
Top of Making






魚の目線、釣り人の目線自作水槽カメラで魚を撮る写真家 (本誌P.27〜30) 文◎フィッシングカフェ編集部

北海道を舞台にサケ・マス科魚類の大地とのつながりに注目し、数々のフィールワークを経て、精力的に作品を発表する写真家・足立聡さん。彼の作品は、サケ・マス科魚類が捕食する昆虫・魚類・プランクトンとその営みを支える自然全体を見つめている。

その足立さんと知り合ったのは、昨年の9月。場所は知床半島。知床取材の現地スタッフの友人としてお会いしたのだが、作品を見る前に驚いたのは、彼が手にしていた塩ビのパイプを利用して作られた、まるで潜望鏡をひっくり返したような水中写真機。(本人は水槽カメラという)水に入らなくてもウエストレベルで水中を撮影できる優れもの。思わず「それ売れそう!」と口に出してしまったほど。魚から生物、そしてその循環を収めようと試行錯誤するうちに作ってしまったのだという。

「最初に作った水槽カメラは、塩ビパイプとアクリルでこしらえました。水が入らないように、パッキンがついたねじ込み式の蓋をつけて。カメラにはウエストレベルファインダーをつけて、上からのぞけるようにした。ストロボは少し離して三脚に固定し、水槽と三脚を持って移動しながら撮影していました。すごく原始的な方法だったけど、ちゃんと撮れるんです。ただし、気温と水温の温度差があるときはガラスが曇って撮影できない。夏場はまず無理でした。それで、もっと機密性の高いものを作るように努力した。」と足立さん。今、使っている水槽は4代目になると言う。

 昔から、魚の基本的な生態は知っていたが、水の上から見た印象とはまったく違う世界が水の中にはある。写真を撮る・撮らない以前に、ハウジングを通して水中をのぞくことのほうが面白かったという。

その足立さんだが現在5代目の水槽カメラを鋭意製作中とのこと。完成した暁にはぜひ本誌で魚や水中のすばらしい写真を撮っていただきたいものです。