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知床半島、初めてのサケの船釣り (本誌P.17〜24) 文◎フィッシング
カフェ編集部

ウトロ港から出船し、シロザケを狙った。ポイントは硫黄岳沖。朝5時にウトロ港を出船した第八平成丸は流氷などの浸食により作られた、様々な形の海食崖や奇岩を右手に見ながら知床岬方面に波を切る。船長の瀬川康彦さんは、11時の方向から横一直線にやってくる波長の長いうねりを丁寧に斜めに乗り越える。硫黄岳沖には、すでに何艘もの遊漁船が集まっていた。

斜里町ウトロ地区を中心とする地先海域では、サケの船釣りを全面的に禁止した上で、承認を受けた者に限り、サケの船釣りを行えるライセンスを発給している。遊魚の期間は9月7日から25日まで。ただ、期間内であっても定置網が敷設された漁場の周囲500メートル以内の海域で全ての船釣りを禁止している。

現在、知床半島周りの船釣りシーズンが始まるのは、5月の連休明け頃から11月20日前後まで。それ以降のウトロ側は北風が冷たく海も荒れるという。そのシーズンのなかで最もこの近辺が盛り上がるのは、9月7日から25日までのサケ釣りの期間だ。多い時には100隻以上ものサケ釣り遊魚船が集まるという。


待望の1匹目は80センチオーバー銀ピカのシロザケ。潮が速いため200号の錘を軸に発砲素材とタコベイトで装飾された、派手なフローティングの5本枝針の胴突き仕掛けで釣る。沖からやってきたばかりの群れはやる気満々だが、半島周りに落ち着くと、いきなり喰い気をなくすらしい。この日は“探見丸にワクワクするような大きな群れが映っていても、アタリはなし”のパターンが続いた。釣果は4本。4日前は一人8本という大釣りだったという。しかし、4日もこの辺りで過ごしたサケは、もう遡上したくて、したくてたまらないのだと思う。

午後は、ポイントを移動してサケ釣りから根魚釣りに切り替えた。やはり胴突き仕掛けなのだが、針はサーモンフライのようなバケ針だ。この日はアオゾイ、ヤナギメバル、ホッケ。たまに、いいところに落とすとアオゾイが鈴なりにつくこともある。ただ、潮も速く地形の複雑なポイントが多く気が抜けない。“底の状態を見極める”まさに探見丸とにらめっこした釣りであった。