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サケから学ぶ男女のあれこれ (本誌P.27〜30) 文・写真◎歌野タケシ

サケ博士の市村政樹さんを道東の標津の町に訪ねたのは1月のこと。市村さんは、まさしく魚釣りや魚獲り好きの少年が、そのまんま大人になったような人物だった。サンプリングの様子を見せてもらおうと、近所の川に同行すると、網を片手に川に降りるやいなや、あっという間にヤマメやアメマスの稚魚を獲ってみせた。
一等面白かったのはサケのメスの話。市村さんからは、フィールドワークから得られた興味ぶかい逸話がじゃんじゃん飛び出してきた。釣りの世界では、魚は魚であって人ではないから、釣りの解説などをする際に魚の行動を擬人化して表現するのは慎むべきとする人も少なくない。でも、市村さんが話してくれたサケのメスたちの行動は、僕が思うに、まるで人間の女性そのものなのである。


市村さん曰く、「メスは卵を生んだ場所にこだわる。サケのメスは最初の産卵場所を基点に近い場所で産卵を繰り返す」。(地図が読めない女、なんてハナシがあったけど、人間の場合、女性は自分の家を基点としているから知らない土地で地図が読めないらしい)。市村さん曰く、「卵を生んだメスは強い」。(論拠は秘す。わかるような気がするよネ)。などなど。
実際にはもっとスゴい話が出たのだけれど、ここでは割愛する。ともかく僕ら人間(の男ども)は、サケはもちろん魚たちに学ぶこと、まだまだいっぱいありそうだと深く感じ入ったしだいである。