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ブランド魚の実力 写真・文◎大川直

自分もそうした懐疑的なムキのひとりであった。だが、実際に釣って食べてみると考えが変わった。やはりブランド品にはブランド品なりの理由があった。食通ではないので、その味がいかなるものかは、「筆舌に尽くしがたい」と逃げておく。環境や季節が異なれば、同じ魚でも大きく個体差が出る、ということを改めて認識した。ただ、買って食べるには、ちょっと財布に厳しい。釣って食べる! 食味そのものだけなく、一連の行為こそが、釣り人ならではの特権でもあるのだから。
船釣りに感じる魅力は十人十色、さまざまにあるだろう。なかでも釣り上げた魚の食味の良し悪しについては、多くの釣り人が心を砕く。極端な例では、食味の良し悪しだけで釣魚を選ぶ人もいるほどだ。

大分県佐賀関周辺で漁獲される「関アジ」、「関サバ」。「商品」としては、全国的に名を馳せる一級ブランド品だ。この「関アジ」、「関サバ」に関して、職漁師が漁を行う海域では、われわれ一般の釣り人は遊漁を楽しむことはできない。しかし、周辺の海域であれば、誰でもがこのブランド品を釣ることが出来る。

マアジ、マサバは全国津々浦々に生息する実に馴染み深い魚。それだけに、「おらが海のマアジ、マサバが一番!」という声を、訪れた場所の数だけ聞くことが出来る。釣り人なればこそ、自分がいつも釣っているマアジ、マサバと比較して、「関アジ」、「関サバ」が、どれほど美味なるものかは興味があるだろう。その高値ゆえに懐疑的なムキもあるはずだ。