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今だから、一尾を楽しむ釣りがいい? (本誌P.17〜20) 文◎大川直
千葉県大原町に伝わるマダイのビシマ釣りはシンプルこの上ない手釣りだ。ナイロン糸に等間隔につけられた無数のキリナマリ。先端にはハリスを介してカブラと名付けられたテンヤが踊る。エサはサルエビ。このビシマ仕掛けを使って底周辺に潜むマダイを釣る。

ビシマ釣りではエンジンを切って船を流す。船縁に装着したノズレと呼ばれる竹に、小さなキリナマリが当たって乾いた音が響きわたる。実にゆったりした時間が流れていく。情緒溢れる釣りの筆頭だ。

大原港の力漁丸さんに乗せてもらったのは昨年末。マダイの好季とは言えないが、正月用の魚を自分の手で、と考える釣り人が立派な一枚を求める時期でもある。昼過ぎから出船の短時間での釣り。それでも腕利きで知られる名人は、2枚の綺麗なマダイを釣り上げた。夕陽に輝く桜色が印象的な美形たちだった。

遊漁では大原町だけに残るこのビシマ釣り。それだけに存続を危惧する声もある。

だが、遊漁も一時の数を楽しむ釣りから一尾をいかに楽しむか? という質を求める釣りへと移行しつつある。それだけ日本の海は豊かさを失っているともいえるが……。

ともあれ、限られた資源のなかでいかに遊ぶか? ビシマ釣りはそんな現代のマダイ釣りにもっとも合致している。ビシマ釣りの未来は安泰、そう信じるとしよう。