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(本誌P.15〜26) |
文◎本誌編集部
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『特集・荒磯の引力』のトップを飾っているイシガキダイ釣りの記事は、もうご覧になっていただいたでしょうか。特集の総扉の写真とこの記事を飾っている写真、どれも磯の荒々しさもよく伝えられているのではないかと自負しております。
このロケは昨年10月に行なっているのですが、季節がら大気が不安定なため、3日ともたずに天気が変わるという状況。この数日前には台風が列島をかすめるなど、出発日までは心配の種がつきませんでした。というのも、今回、釣行ポイントとして予定していたのは、八丈小島の離れ磯。少し海が時化ただけでも渡れない可能性が高かったからです。
結果的には予定通り八丈島へ渡れたものの、このロケにあわせたかのように低気圧の前線が伊豆沖に延びてきていて、往きの飛行機も飛ぶか飛ばないかというギリギリのところでした。
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そんな具合でしたから、ロケ中は天気に恵まれることはありませんでした。やはり海も時化ていました。
初日は船が出ることもできずに地磯で、2日目は釣座の高い離れ磯に何とか渡り、ようやくお目当ての一級磯に渡れたのは3日目のことでした。
この間、空のようすはほとんど変わることなく、雲が頭の上を凄いスピードで流れていき、朝から夕方まで雨が降ったり止んだりの繰り返し。カッパを脱ぐこともできません。
それでも、丸橋英三さんには釣るものを釣っていただき、それを写真に収められただけで大成功、と納得していた帰り際のことでした。
「いや〜、けっこういい写真が撮れてると思うよ」と、カメラマンの津留先さんがポツリと言ったんです。写真の上がりを見て、驚きましたね。こうして「荒磯らしさ」は、計算できない天気まで味方につけてしまうプロの腕によって表現されました。
そんな現場の状況を踏まえつつ、もう一度見直していただければと思います。
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