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偶然巡ってきたラストチャンス  (本誌P.57〜61) 文◎本誌編集部
4回のシリーズでフィッシング・ジャーナリストの佐藤成史さんにお願いしてきた『竿・ロッドの変遷と進化を追う』の最終回、北海道でロケを行おうと佐藤さんに電話をしたのはすでに6月10日近かった。ご存知のように5〜7月といえば日本では渓流釣りのハイシーズン。北海道の道南から帰ってきたばかりだった佐藤さんも、その後、九州、東北の長期の釣行がすでに決まっていて、「この時期の予定は年の初めにはみんな決まっちゃうんですよねぇ。8月にならないとロケものはちょっと無理」と超多忙だった。それにもかかわらず、やはり三度の飯より釣りが好きなのだ、「阿寒湖でアメマスを釣るんだったら、時期的にはもう今が最後なんですよね。今年は阿寒に行かなかったし」と少し考えると、九州からそのまま北海道へ飛ぶという強行スケジュールを自ら提案してくれたんですから……。編集サイドとしては、ホント、感謝、感謝でした。

そんなこんなで、釧路空港で佐藤さんと合流したのが6月24日。温暖化のせいで北海道も温かくなってきていると聞いていたのに、いくら夕方とはいえ初夏のこの時期に摂氏5度という異常な寒さにスタッフ一同ぼう然。「せめて一匹でも」と、願うような気持ちでロケ初日を迎えた。今回のロケで強い味方になってくれたのが、阿寒湖漁協の運営するフィッシングランド阿寒湖の桶屋潤一さん。フライアングラーであり、毎年、阿寒湖を訪れている佐藤さんとはお互いに成史さん、潤ちゃんと呼びあう仲でもある。毎朝、船にスタッフを乗せて阿寒湖を巡り、的確なポイントに案内してくれたのでした。おかげで、45cmのアベレージサイズながら初日からグッドコンディションのアメマスと対面することができた。散発のライズが一時だけしかなく、他の釣り人がまったく釣れてなかった状況を考えれば上々の釣果だったといえる。


桶屋さんもつきあったイブニングでも、 2人揃ってアメマスをゲット。「この状況でちゃんと結果を残すところは、さすが成史さんだね。やっぱりプロだわ」と桶谷さん。いやいや、2人の経験と腕があったからこそのロケでした。あらためて、感謝、感謝。ちなみにこの後、モンカゲロウのハッチは1回しか見られなかったそうなので、無理矢理組んだ強行取材が功を奏したとも……。ともあれ、運にも恵まれ、ラストチャンスを見事にゲットしたロケだったのでした。