沖縄の離島、薩南の離島、五島列島など、南西諸島から九州西岸を抜ける黒潮本流。
その本流が激しくぶつかる磯を舞台にくり広げられる巨魚、好魚と釣り人たちのドラマは数知れない。 多くの伝説と釣り文化が交錯し、新しい逸話が生まれる南方の磯釣り。 ロウニンアジ、イシガキダイ、タマン、クチナジ……。
豊富な餌と、年間を通して水温が高い温暖な生息環境は、磯に君臨する強者たちを大きく狡猾に育てあげ、釣り人の夢を掻き立てる。しかも、「南方宙釣り」やキビナゴ一匹掛けの「スルルー釣法」など、シンプルで奥深い釣りの技法が、多くの失敗や挫折の中から生まれ、後世へと受け継がれている。
そこで、”南方磯釣りの快“と題し、記録を残した釣り名人の逸話や時代の流れとともに進化した、先鋭的な磯釣りなどをリポートする。
写真◎狩野イサム Photogrph by Isamu Kano
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