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● 銀塩に刻まれた私的釣り風景 − 高橋周平 ●
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この半年、自転車によく乗るようになった。往復10〜20キロくらいなら、雨さえ降っていなければ、電車よりも自転車、というマインドである。わが家からこの距離なら、新宿であろうが渋谷であろうが、はたまた吉祥寺であろうが、時間にして電車と変わらない。目的の街に着いてからも細かく移動できるから、便利がよい。
それ以上に、カメラ心と自転車の移動スピードが近いような気がして心地よい。基本的には安全のため前しか向いていないが、目の端にちらっと飛び込んでくる珍しい店、時代錯誤的に古い看板、思いがけなく登場する狭い路地などに、たびたび心を奪われる。道の取り方は星の数。住み慣れた町なのに毎日たくさんの発見がある喜びは、思いのほか大きい。
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文◎高橋周平
写真◎デニス・ストック
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