NEXT ISSUE VOL.81 2025年 8月 発行
魚を保存する郷土の技
― 100年後の釣り人たちにも伝えたい食の伝承技法 ―
塩漬けにしたアユやサケ、アジやサバなどを米や麹に漬けて発酵させた日本各地の『なれずし』や『飯ずし』、青魚に塩を振って塩漬けにし、さらに糠漬けにした郷土料理の『へしこ』。山間部で受け継がれる甘露煮や最高級の寒ブリを京都や大阪まで運ぶために生まれた能登半島の『巻鰤』など、日本には多くの魚介系保存食があります。その技法は大きく分けて「干す、漬ける、醸す、煮る、燻す」ですが、作り手たちは暑さや寒さ、湿度、太陽、風ばかりか菌類まで総動員させ、気候風土と深く結びつきながら培った技を、時を超えて伝承させています。次号では、先人たちが遺してくれた贈り物「いのちの保存法」やその歴史を、次世代の釣り人たち伝えます。