NEXT ISSUE VOL.82 2025年 12月 発行
コイ釣りと鯉文化
― 身近な巨魚との深いつながりを探る ―
巨魚は、いつの時代も釣り人を魅了します。ヨーロッパでは、その代表としてカープ(コイ)フィッシングが盛んでした。紳士たちがツイードジャケットに身を包み、モンスターカープの強い引きに夢中になったそうです。日本でもコイ釣りは盛んですが、日本人とコイとの結びつきは文化的側面から捉えることで、その魅力を深く知ることができます。たとえば『日本書紀』には、他の魚を抑えてコイが一番の献上品であったと記されています。また、泳ぐ芸術と称さる錦鯉をはじめ、コイは多くの芸術家たちの作品対象になり、鎌倉時代に始まった男子の健康を祈る「鯉のぼり」の風習もあります。そうした史実を含め次号では、西欧のコイ釣り文化と日本人の鯉文化を紹介します。