NEXT ISSUE VOL.80 2025年 4月 発行
風流を極める、鮎釣り紳士録
― 江戸から令和まで、日本人とアユ釣り文化を探る ―
江戸時代の京都地誌『京雀跡追(きょうすずめあとおい)』に登場する毛針師・伊右エ門から始まる「鮎毛針釣り」は、加賀毛針、播州毛針、土佐毛針を主流に各地に広まります。また、生きた魚を使って魚を掛けるという世界に類を見ない「アユの友釣り」は、いつどこで生まれ今に至るのでしょうか。さらに宮内庁式部職鵜匠による長良川の古代漁法「御料鵜飼」は1300年以上前から続き、現在も執り行われています。近年では、アユの冷水病の解明や海産アユの習性など生態学的な研究も進み、その魅力は深まるばかりです。日本の釣り文化に大きな影響を与え続けてきたアユをテーマに歴史をひも解き人々を訪ね、日本人とアユ釣りの深い結びつきについて紹介します。