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(本誌P.27〜28) |
写真提供◎金谷ホテル 株式会社 写真セレクト◎千葉崇則
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明治4年頃、アメリカ人宣教師であり医師のヘボン博士が日光を訪れ、それがきっかけで開業した金谷ホテルの前身となるカナヤ・カッテージ・イン。その後、英国の旅行家として数々の手記を残したイザベラ・バード女史の著した「日本奥地紀行」にも紹介され、日本を訪れた数々の外国要人、そして日本の華族、社交界の人々から愛されてきたのが現・日光金谷ホテルだ。
その、日光金谷ホテルの蔵の奥に保存されていた、膨大なガラスネガを整理し、最新のスキャナーで取り込み、欠損修正を加えてモノクロ写真としてプリントしているのが、写真家・千葉崇則氏だ。
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その千葉さんにお話を聞くと、歴史ある日光金谷ホテルに訪れた人の写真を調べるだけで、日本の近代史が見えてくるような面白さがある。しかも、その貴重な資料が手付かずにある。それを、写真家として、指を咥えてみているわけにはいかなかった。そこで、この作業をかってでたという。
千葉氏の作業は地味で根気のいる仕事だ。しかも、写真家だからこそ細かな修正も加えられる。今回、誌面で紹介した写真は、そのほんの一部だ。しかし、その写真には、日光金谷ホテルに訪れた古きよき時代の釣り人たちの、釣りに対する品格を感じることができる。過去から未来へ。ガラスネガとともに、カナヤ・カッテージ・インが伝える中禅寺湖の釣り魅力を多くの人に分かち合うために、千葉氏は今日も修復作業を行っている。 |
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