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エコツーリズムへと舵をきった北海の兄弟島 文◎フィッシングカフェ
編集部

「パボーン、パボーン!グランデ!」。陽気でちょっと助平なガイドのエディが血相を変え船外機を片手で取り回しながら叫ぶ。60ポンドのPEラインは黄土色の水のなかへ一直線に消え、そのラインがふっと緩んだかと思うと、まるで黄色い花が飛び散るように巨大なピーコックバスが跳ね上がる。大き目のポッパーに喰らいついた記念すべき大物だ。しかも3種類いるピーコックバスのうち、3本の縦ストライプのはいった、現地名でバーと呼ばれるタイプ。サイズは80cmを超え、重さは7kg弱。その巨体をふるわせ、フッキングしてから、数度も大きくジャンプを繰り返す。

今回訪れた、コロンビアのビタ川周辺はまさに手付かずの原生熱帯雨林が広がっている。その密林の中をまるで毛細血管のように細かな水路やラグーンがあり、最終的に大きく蛇行を繰り返すビタ川に集まっている。現地名でパボーンと呼ばれるピーコックバスや下あごから鋭く長い牙を出すパヤーラ。淡水ダツの一種アグヘト、カマスそっくりのパヤラ・ペケーニョに淡水エイのラカ、巨大ナマズのワァタグアロ、そしてピラーニャ……。龍のように蛇行するビタ川のあらゆる場所が牙あり毒ありの一筋縄ではいかない魚たちのポイントとなる。

釣り方も乱暴で、ピーコックバスの場合、鏡のような水面にそっとプレゼンテーションするような釣りではなく、ドボーン! ドボーン! と大型のトップウォータールアーを間髪いれずに投げ込むスタイルだ。いかにも潜んでいそうなストラクチャーを見つけたら、すかさずロングキャストでドッパ−ンと放り込む。とにかく一匹出るまで投げまくる。そして一匹フッキングさせると面白いようにトップウォーターに躍り出てくる。しかも、10ポンド越える大きいサイズは、まるで舞台役者のように最後の最後に登場する。その最後に登場する大物とは体長で80cmオーバー。重さで12ポンド以上。引きも体力もあり、バスロッド最強のファイナルディビジョンが弓のようにしなるほどだ。

日本から39時間以上を費やすが、そこはルアーフィッシングの紛れもない聖地。しかも、すべてが「やるか、やられるか」。まさに気の抜けない聖地でもある。