今、アメリカで最も熱を帯びたフィッシングシーンは
ツーハンド・フライでもバスルアーでもない。
それは「テンカラ釣り」だ。
きっかけは一人のアメリカ人、フライ・フィッシャーの気づきからであった。
アメリカ西海岸、サンフランシスコに本部を置く歴史のある
フライフィッシング団体「Golden Gate Angling and Casting Club」の
ディレクターのひとり、ダニエル・W・ガルハルドが
数年前、日本の伝統的な和式毛鉤釣りを知り、
その高次元で洗練された技術に衝撃を受ける。
欧州で生まれアメリカで飛躍的な進歩を遂げたフライフィッシングに対して、
対極の位置で進化した日本伝統和式毛鉤「テンカラ釣り」を、
まさに、和の神秘的な世界として解釈した。
自らテンカラ釣りを学び、彼の地でも広めた結果、その波紋は強烈な
センセーションとして、アメリカ西海岸を中心に大ブレイクしたのだ。
西洋のフライフィッシングに影響されず、400年以上の歴史を誇る
日本独自の進化を遂げた「テンカラ釣法」の伝承伝播のその先へ。
その、テンカラ・センセーションの本質に迫る。
写真◎マイク武井
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