野球ファンなら知らない人はいないであろう、元ヤクルトスワローズの大投手、松岡弘氏。
大きく曲がるカーブとスナップの利いた小気味のいい速球でバッターと真っ向勝負を挑むその姿に多くの人が魅了された。
18年間のプロ野球人生で、通算成績191勝、防御率3.33、2008奪三振。沢村賞1回(1978年)最優秀防御率1回(1980年)と200勝へは9勝及ばないものの、その功績は十分に名球界クラスといえる。
一方で、松岡氏は、幼少から無類の釣り好き。その釣りへの想いは、現役引退後さらに強くなり、特にヘラブナ釣りは多くの名人をも凌ぐ腕前だ。
ヘラブナ釣りにおける、静の状態での正確な合わせや餌の打ち込み。
現役時代に培った非凡な運動神経は、ヘラブナ釣りにおいてもその才能をいかんなく発揮している。
ますます、ヘラブナへの情熱が強くなる松岡氏に、現役時代、引退後を振り返ってもらい、彼の人生のなかで融合する「釣りと野球」の接点、そしてその結果、彼が歩みだした生き方に迫った。
取材・文◎遠藤 昇 写真◎北野 勘太
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