Fishing Cafe

Fishing Cafe ProjectWorld Fishing ReportFishing SalonMagazineBSTVMaking of Fishing Cafe
Back Number

Book Store
Top of Back Number



WINTER 2007 VOL.25


● 福田蘭堂を誘った大ダイの宿 ●

千葉県外房総の勝浦港を望む海辺に、一軒の旅館がある。体を表すかのごとく「臨海荘」と名付けられたその宿。昭和34年の創業当時はもっぱら勝浦に集う釣り客を泊める、いわゆる釣り宿であった。「最初の4、5年くらいは釣り客専門でしたね。民家を改造した建物でしたから、20〜30人ほどが泊まることができる、本当に簡素でこぢんまりとした宿でしたよ。」二代目となる現在の主人、矢代嘉洋は当時を振り返る。多くの釣り客のお目当てはマダイやイシナギという大物だった。わけても大ダイ狙いには、目の奥に狂気色を滲ませた釣り人たちが足繁く通ってきた。釣り人たちを発奮させたのは、「臨海荘」の客間に掲げられていた13キロという大ダイの魚拓。これを見た者たちは、われもわれもと日参した。そんな大ダイを夢見る多くの釣り人たちのなかに、福田蘭堂の姿があった。

写真と文◎大川 直
top

1

2

3