● 大人の釣り時間 大岡 玲 ●
慶応3年、東京下谷生まれの小説家・幸田露伴は、急速に失われる江戸文化を嘆いた江戸っ子文士として有名である。また、釣りに関する小説も多く、中でも『幻談』は、幻怪な趣向を凝らし、釣り人ならずとも背筋がソッとするような話だ。今回は、釣りをこよなく愛する作家・大岡玲が、露伴の釣行を追体験しようと、露伴も当時乗っていたであろう和船で東京湾に出た。平成に生きる作家が目にしたのは、いったいどんなものであったのだろう。
撮影◎高砂淳二
取材協力◎深川吉野屋