「谷の精霊」と呼ばれ、日本を代表する渓流魚であるイワナ。
しかし、サケ亜科イワナ属は北米大陸北部、ユーラシア大陸、スカンジナビアなど北半球北部を代表する淡水魚だ。
なかでも、日本に生息するイワナはサケ亜科イワナ属の南限の魚でもあり、古くから「幻の魚」と呼ばれるなど、その土地や自然環境によって体色や形、習性にも様々な変化が見られることで、伝説的な逸話が多い。
そこで、日本のイワナのルーツともいうべき、極東シベリアに生息するドリーバーデンやアメマスから希少魚類ともいうべきヤマトイワナまで、イワナ属をめぐる生態学、民俗学、釣りエッセイを交え、釣り人の好奇心の赴くままにイワナを追い続けてみた。
写真◎知来 要
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